「天羽浩一さん 2026年9月7日 現在の今」を語るー台湾漫画家高妍(ガオ・イェン)の「隙間」を読んでー

2024年

今の状況について

 腸閉塞の度重なる再発と開腹手術、悪性リンパ腫の襲来抗癌治療と、6回の入退院を繰り返し、深刻な身体的ダメージに襲われた2026年でしたが、現在退院し自宅療養中です。食べることが出来るようになり(食欲が出てきた)、自力で歩ける状態(3階にあるエレベーターのない自宅アパートの階段を昇り降りできる)でQOL6割達成という感じです。「温泉に入ってビールを一杯」というのがQOL10割到達点と考えています。 

というわけで27日「九条医療者の会かごしま」主催の畠山さんの講演会にZoom参加します。先行きは相変わらず不透明だけど、今は少し元気が回復したという感じです。

「隙間」を読んで ー個人的な「非武装主義」からー

話が少し飛びます。日頃漫画は全く読みませんが。最近話題になっていた台湾の漫画家高妍(ガオ・イェン)の「隙間」を読みました。物語を通底している「台湾人としてのナショナルアイデンティティ」に視点をあて、「台湾有事」について考えてみました。

私は個人的には「非武装平和主義」ですが、現実に進行する政治問題としては「軍事的抑止力論と平和外交論の交錯点」を求めなければならないとは思っています。

まず① 現在の台湾の人々の民主化、自由化の声を支持していくこと、同時に② 1972年日中共同声明、78年の日中平和条約を含んだ日中基本文書を再確認すること、この2点を中国習近平政府、台湾頼政府に日本の立場として強力に主張していくことが重要です。

この方程式に登場するファクターは1.日本の市民・国民と2.日本政府、3.台湾市民と4.台湾政府、5.中国市民・国民と6.中国政府、そして7.アメリカ市民・国民と8.米政府の8者です。政府・政権と市民・国民を同一視せず、別個のファクターとして位置づけることが重要です。

習近平政権にたいして

その上で、習政権に対しては日中基本文書の再確認、つまり① 台湾が中国の一部であるとする主張は理解している。しかし、② 統一のための武力行使は絶対に承認できない、武力行使があれば、それは中国国内問題としての領域を越えた国際問題となること、したがってあくまで台湾の人々の自由意思を尊重し、平和的解決へのプロセスを歩むこと、台湾と中国の市民レベルの多方面の交流(経済・貿易のみならず、スポーツ・芸能芸術、学術、教育、医療・福祉、観光、自治体間交流等)や政府間の開かれた交渉などやれることは山ほどある。

頼清徳政権に対して

また頼政権に対しては① 日本政府は日中基本文書を再確認する。しかし台湾の人々の人権や自由意思を尊重し支持すること、そのためには② 台湾政府が国家の独立を求めて軍事衝突も厭わない方針を出した場合には支持しないこと、あくまで習政権との粘り強い交渉と、市民レベルでの多様な交流を推進することを求めること、③トランプ政権に対しては、武力衝突を徴発するような言辞はしないこと、台湾海峡及びアジアの海を平和の海にすることを支持するよう求める、以上のような枠組みで、節度ある軍事的抑止力(専守防衛)を背景に平和への道を探っていけば、戦争にならない道筋が必ず開けると思う。

日本政府に対して

そのためには「台湾有事は日本の有事」などという単純な図式でこの方程式を解こうとするのではなく、1. 日中台の歴史的背景、また2. 中国の辺境に位置しながら、世界に冠たるハイテク地域である台湾及び台湾市民の尊厳を尊重し、3. 関係国政府政権と市民・国民を別々の独立したファクターとして位置づけ、4. 絶対に戦争を起こさない体制、平和の海の構築に共同して取り組んでいく体制を作り上げていくこと、5. そのため日本政府は平和へのシナリオとロードマップを作り上げ台湾、中国、アメリカ政府及びそれぞれの市民・国民に積極的な平和への働きかけをすることだ。

列島日本は海峡封鎖で食糧安保もエネルギー安保も不可能、更に無防備の原発防衛は不可能(川内原発に100のミサイルが飛んでくれば迎撃は不可能)、またAIの進化によりサイバー防衛も不可能という中で、軍事力だけをいくら増強しても、金をかけただけ無駄に捨てるようなものだ。専守防衛の自衛力水準を確定しながら、軍事予算を抑制し、その分、平和攻勢に予算をかけて勝負していくことこそが私たちに求められていることだと思う。

「隙間」のヒロイン

「隙間」のヒロインは恋愛にも人生にも壁を感じ、台湾から距離をおき、沖縄に留学するが、そこで知ったこと、見たことは、中国政府による台湾政策と、日本政府による沖縄政策の相似性であった。かつて清国との柵封関係にありながら薩摩藩による差配も受けるという二重苦に苦しんだ琉球王国と、漢民族(外省人)ではない、先住民族の住む台湾(本省人)、かつては清国にその後は日本帝国主義に蹂躙された台湾、ガオ・イェンの台湾アイデンティティは沖縄体験を通してより深められていった。台湾と沖縄、その歴史的背景を振り返りながらより深い所で互いに結び合っていく関係を作りだしていくのだ。

今のところ国家という枠組みをすぐには外せない以上、一定のナショナリズムを基礎としながらインターナショナルに近づいていく道を時間をかけて歩んでいくことだ。ガオ・イェンが台湾ナショナルアイデンティティから沖縄との連帯をとおし、一歩インターナショナルに歩を進めることが出来たように。

最後に「感想」と未来へ!

それぞれの国の政権が時間の流れとともに交代し、しかし平和への道筋は堅実に継承していく時間の流れを承認出来れば、未来は少し明るいのでは。

以上、「隙間」4巻読破しての「台湾有事」に関する感想でした。「戦争しない・させない!」

「武器を作るな!武器を売るな!武器を買うな!武器を持つな!武器を使うな!」

この私の妄想はまず高市政権では不可能であり、第一歩から躓くが。次期総理が小泉さんならなお絶望的になってしまう。次期選挙まで、野党らしい野党が大きな勢力になることを願う。中道は保守二党論の故、有効打とならなかった。政権を取りに行くなどしなくていい。「ゴリッ」とした存在感ある野党の塊を願う。

(注)「中道」は仏陀の教えで、どっちつかずの、足して2で割る中間ではなく、中=当たりで、「正しい道、真ん中の道」ということらしいのだが。

山下 感想

天羽さんの変わらない”天羽節”を再び聞くことができていることが、今、何よりの喜びです。
少なからず、後進の一人として、天羽さんの願い、思い、を引き継げる者でありたい、と思います。
しかしながら、なかなか天羽さんほどの熱意に達しません。すみません、天羽さん。

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