「ダルレの話」子どもの日に寄せて

2024年


かごしま中央子ども劇場主催の「ダルレの話」という人形と人間が共に演じる韓国の無言人形劇を見に行ってきました。(2024年4月26日(金)18時45分~19時45分 川商ホール第2)

あらすじ

洗濯ものが干されている農家の庭・・・
幸せに暮らす若い夫婦にダルレが生まれます。
小さいダルレを囲み、親子3人で蝶と戯れ、
春はお花見、夏になれば釣り、
秋にはとんぼを捕まえたり、果物をとったり、
冬になったら雪だるま・・・。
幸せいっぱいのダルレの家族に、
突然訪れたのは戦争でした・・・。
        パンフレットより

公演によせて   パンフレットより

「ダルレの話は、”幸せに生きること”を観る人間に問いかける物語です。
日々の暮らしの中にあるささやかな幸せ、それが壊されて奪われてしまう悲しみや苦しみ、
お互いを大切に思い合う心、人と人との間にあるぬくもりや愛・・・。

 「ダルレの話」は、セリフは一つもありません。

韓国の伝統的な美しい音楽に乗せて描かれる世界と、役者との人形が織りなす表情豊かな動きが
観る人の”想像力”を引き出し、言葉以上のことばをうみだします。

子どもたちから大人まですべての人が「ダルレの話」を観て、「ダルレの話」をとおして、私たちがどんな未来をつくり合って行きたいのか、語り合い考えていく機会にしたい、そう思っています。

アートステージサン「ダルレの話」パンフレット

感想

この「ダルレの話」の公演が、もし皆さんの住んでいる場所の近くで催されることがあったら、ぜひ観にいっていただきたいです。
ささやかな日常の幸せが壊されていくこの悲しみを多くの人に感じてほしいです。

私たちは、楽しいことを求め、快楽的な欲求を満たすために右往左往して生きていますが、その日常がある日突然に、不条理に、壊されていく。
そんなことが起こるかもしれない世界を今、私たちは生きている。

私のこの劇の感想は、一言「戦争って、本当に嫌!!!」

本当は大きな声を出して、わん、わん、泣きたかった。
ダルレの悲しみは、人間の抱える悲しみ。
でも、その悲しみを決して忘れていけない・・・。

コメント

  1. せしたみつる より:

    本当にささやかで、かけがえのない小さなしあわせを壊すのが争いであり、その最たるものが戦争だと思います。
    私たち日本では近代以降、同じ民族で血で血を争う戦争は起きていません。
    しかし朝鮮半島では東西冷戦の最中に、半島を二分する韓国戦争(朝鮮戦争)が起きました。
    この戦争は同じ民族がゆえに、逆に対立意識が際立った戦いになり、東西のイデオロギーによる分断が国民の不幸をさらに助長することになったのだと思います。
    戦争は女、子どもが犠牲になると言われますが、その女、子どもを守ろうとして戦いに行く男たちがいることも戦争の矛盾ではないかと思います。

    • shunkou より:

      コメント、ありがとうございます。改めて、ダルレの記事を読み直しましたが、劇を思い出し、胸がつまり、悲しみが沸きあがります。今の日本の繁栄があるのは、朝鮮戦争の影響もあるのではないでしょうか?朝鮮の人々の辛い悲しみの戦争によって、私は不自由のない暮らしを享受させてもらえています。戦争と人間の暮らしは矛盾だらけですね。