「沖縄・再び戦場(いくさば)へ」映画上映会報告

2023年

宮古島や与那国島に弾薬庫が造られ、ミサイルが運び込まれていく現実に、住民がいくら抗っても、その事実が停止するわけでもない。
長い反対運動に疲れ、その結果住民が分断されていく様を悲しむ男性の悲しそうな表情だけが頭に残り続ける。
ただただ、虚しさと、悲しさとどうしてこんなことが起こっているのだろうかという、怒りが、私から言葉を失わさせてしまう。そんな映画でした。
しかし、同時に、これは決して目を背けてしまってはいけない事実なのだ、ということも感じました。

今回のスピンオフ作品映画について三上智恵監督のコメントを、公式HPより引用させていただいております。
一番最後に載せてありますので、ぜひお読みください

当日の参加者は、午前中17名、午後13名。
映画上映後は、参加者同士の感想、意見交換を行いました。
「それでは、一体どうしたらいいの?」と答えを求めたくなりますが、その答えは、自分自身の生き方として、問うていく。死ぬ時が訪れるまで、問い続けていく・・・・・・翻ってみると、今生で起こる出来事ひとつひとつが他者と生きるいのちの有り様を見つめ続ける営みではないかと、と思う次第でした。

午前の部は、8月15日に知覧特攻平和会館で行われた『平和へのメッセージ from 知覧 スピーチコンテスト』一般の部で特選入賞された肝付友美さんの『命を感じ平和を願う』というスピーチを聞かせていただきました。



参加者のアンケートから抜粋した感想を添付しておきます。このアンケートは、「沖縄記録映画製作を応援する会」より今後の映画製作の参考にしたいということで、アンケートの依頼があったものです。

アンケートの感想抜粋

また、参加者から映画製作協力金へ12,800円のカンパ金を頂きました。 1万円以上のカンパをしていただいた場合は、映画の最後のエンドロールに名前の掲載をしていただけるとのこと。
「戦争を語り継ぐ集い・かごしま」の名前で掲載を希望しましたので、映画完成後は、ぜひ多くの方に見ていただきたいです。そして、また感想・意見を交換したいと思います。

新作『沖縄、再び戦場いくさばへ(仮)』スピンオフ作品について

三上智恵

昨年末の安保三文書で明らかになったのは、日本が敵基地攻撃や先制攻撃も可能な軍事国家になったことだけではありません。日米政府の言う抑止力とは「南西諸島にミサイルを並べ、最悪の場合報復攻撃の戦場になるもやむなし」という南西諸島の犠牲を覚悟したものであるという本音も暴露されました。戦場になると名指しされたも同然の島々では、これから基地の地下化、シェルター設置、ミサイル避難訓練、弾薬庫大増設、小さな離島を含む空港と港湾の軍事化が急ピッチで進みます。いま制作中の新作映画は、平和を求めて戦う沖縄の最前線を描いた2017年の『標的の島 風かたか』の続編にあたります。2017年~2023年の戦争に向かって突き進む怒涛の日々が描かれることになりますが、しかし映画館での公開は早くても2024年春以降になり、その時、沖縄が予断を許さない状況になっていることすら考えねばならないと危惧しています。

映画の完成を待つこの期間にも、刻々と変わっていく状況を共有するため、この度45分程のスピンオフ映像を希望者に無償で提供し、危機感を共有していただきたいと思うに至りました。みんなで見ようよ!と声を掛けられる仲間と、5人でも10人でもいいので「見る会」を開催していただきたいのです。そして戦争に向かうこの国の流れを止める小さな単位が各地に生まれ、この動画を見たことで「見ざる・聞かざる・言わざるになるものか!」と決意した人たちが、既成の政党や運動にとらわれず、同じ危機感を持つ人たちと集まりなおすきっかけになれば、こんなにうれしいことはありません。映画が完成するまでの間に、全国に同時多発的に沖縄の現状を見てこの国を憂い動き出す人々がどんどん誕生していくと思うだけでもワクワクします。そして、ワンコインでもいいので新作の製作費カンパと共にDVDを返却していただければ、私たちもさらに励みになります。

野党や労働組合の弱体化、運動の高齢化など嘆いていても始まらない。私にとっては、過去の私の作品を見てくださり、沖縄を気にかけていてくれる方々だけがはっきりと目に見えている希望なんです。その方々は必ず南西諸島の現状をその目で見て受け止め、SOSに耳を傾け、そして発言・行動につなげる力のある人たちだと信じられるからです。

なので、今回はあえて素材を無造作に並べ、わかりやすくするための説明や演出は極力つけませんでした。あくまで撮影に走っている中からこぼれてくる「野菜の乱切り」の形で提供します。それを一足先にお渡しするので、皿もそちらで用意し、来ている方々が食べられるような盛り付けと味付けは映像を受け取った主催者のオリジナルでやってほしいのです。主催する方の多くは辺野古で座った経験があったり、深く沖縄問題に関心を持ってきた方々だと思いますので、一緒に見る人たちに添えるべき情報を判断し、来てくれた方々に必要な補足をしていただけると思います。実はそこがミソだと思っています。
観客として見るのではなく、私たちが必死に渡す情報を受け取って、皆さんも必死に地域に発信するサテライトになってほしい、平和を作る力のある人たちを揺り起こすツールにしてほしい、平和分子の核分裂が起きる時の核になる人たちにこの素材をお渡ししたいと思い、その願いを込めて、編集しました。どうぞ存分に活用してください。そして新作映画が完成した暁には、是非この動画を共有してくださった皆さんと共に劇場にお越しください。


以下のHPから、映画のDVDの無料貸し出しをされております。
ぜひ、自分の周りで上映会を開催していただければ、と願う次第です。

「沖縄・再び戦場へ」公式ホームページ

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