「戦地からの手紙」「満洲国切手」展 開催のお知らせ

2023年

 7月1日~31日まで姶良市「重富民俗資料館」で、「戦地からの手紙」「満洲国切手」展を開催します。 (土・日・月の三日間のみ開館。10:00~16:00開館)
  入場料 一般200円 小中学生:100円
「重富民俗資料館」は、重富小学校の近くです。 姶良市平松5284 ☎0995-70-0185

7月16日(日)・29日(土)14:00~15:30「手紙を読む朗読会」を開催します。
戦いの合間にかかれたであろう手紙は、家族を想う言葉に溢れています。それを朗読し、参加者で語り合いたいと思っています。 定員5名 電話予約先着順  申し込み 山下 090-5023-9282
 

①手前の「戦地からの手紙」は、垂水出身の青年が戦地から家族に出した軍事郵便です。ご遺族から垂水史談会へ寄贈された品です。

②後ろの「満州国切手」は、霧島市在住の赤崎雅仁さん(満州からの引き揚げの語り部であり、郵趣家)の収集品です。

今回は、「かごしま未来の平和館プロジェクト」の野田洋一郎さんの「語ってください、昔の品々」というタイトルでの展示品と合同展示です。
野田さんは戦中使われていた品々について具体的にどのように使われていたのか教えてほしい、ということがテーマとなっています。

 「戦地からの手紙」開催にあたって (今回が初めての展示)

令和5年(2023)8月で、アジア・太平洋戦争の終戦から78年が経過します。

この戦争では、多くの男性が軍人として戦地へ派遣されました。離れて暮らすことになった軍人とその家族は軍事郵便を交わしてお互いの状況を伝え合いました。

「軍事郵便」とは、戦地にいる軍人・軍属が差し出した郵便物、あるいはそれらの人々に宛てて送られた郵便物のことをいいます。原則戦地からの郵便物は無料ですが、一カ月に出せる便数には制限があったようです。また、軍が検閲を行うため、書けない情報や出来事もありましたが、軍人と家族を結ぶ大切な通信手段でした。

今回展示では、垂水出身の青年(当時24歳)が、昭和16年から17年にかけて、日中戦争の戦地である中国東北部(当時の満洲国)や南方(おそらくフィリピン、インドネシア方面)から、垂水に住む家族に出した軍事郵便を展示しています。

これらの手紙は、ご遺族から垂水史談会へ寄贈されたもので、当時の所属部隊の上司や同僚から青年宅へ届いた手紙を含め51通あります。

 青年は、昭和16年7月16日、満州国の一都市牡丹江に駐屯する部隊に編入となり、今回の手紙の多くはその地から出されています。その後、昭和16年12月末に、所属部隊が南方へ移動するのに伴い青年の手紙の差出元が「比島派遣海7016部隊」や「南方派遣沖7016部隊」へと変わっていきます。

 51通の中で日付が確認できる最後の手紙は、昭和17年8月22日(差出先:比島派遣海7016部隊 山田隊)です。そして、現在確認できるのは、「垂水市史下巻」の戦死者名簿に『昭和18年2月18日 南方諸島 陸軍兵長 ○○○○』と記されていることです。

 これらの軍事郵便には、自身の近況や駐屯地での生活、外地の人々の様子などが書いてあります。しかし、紙面のほとんどは故郷の父、母を気遣う息子であり、妹、弟を(いと)しく想う兄としての言葉に溢れています。軍人としての責務を担いながらも、再び、家族と共に過ごせる日々を夢みていたのかもしれません。今回、80年の時を経て、私どもの手に巡ってきたこれらの手紙から聞こえてくる声に、耳を傾けてくださることを願っています。

垂水史談会
戦争を語り継ぐ集い・かごしま

                 

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