野呂正和さん(川内原発20年延長を問う県民投票の会準備会・事務局、鹿児島を戦場にさせない県民の会共同代表)を、お招きして、
鹿児島から沖縄に広がる南西諸島の軍事基地化の現状や今後の動きなどについてお話を伺いました。
1.近現代史を学ばない日本の教育
★戦争の20世紀・・・日清・日露戦争~日中戦争~太平洋戦争
数々の侵略・強奪・連行・性差別の実態を覆い隠す日本
★アジア解放という詭弁・・・天皇を仰ぐ日本人の優位性
★宣戦布告なしに真珠湾攻撃~フィリピンなどでの玉砕・・・大本営発表
本土防衛の捨て石「沖縄戦」~広島・長崎への原爆投下
2.戦後アメリカ従属の日本政治
★戦後処理・・・天皇とマッカーサー、東条英機などの戦犯処理
★1945.9.2・・・降伏文書調印~アメリカの間接統治
★朝鮮戦争(1950)改憲の動き~警察予備隊~自衛隊(1954)
★生き延びた「岸 信介」主導の対米従属政策・・・60、70安保条約
★文鮮明をレーガン大統領に直訴した岸信介(1984)
3.南西諸島の自衛隊配備
・FCLPと馬毛島・・・岩国基地にみる防衛省の横暴
・奄美・瀬戸内基地、沖縄本島・宮古・石垣・与那国
・ミサイルによる「敵基地攻撃」・・・100倍返し
4.「日本有事」の背景と可能性
・戦争責任の放棄・・・反省しない政府と国民、安易な中国脅威論
・アメリカ従属の防衛体制、アメリカに代わる「台湾有事」
・「戦争法」以後、専守防衛の放棄、アメリカとの集団的自衛権
5.戦争をして得する者
・為政者の思い通りの憲法に改変・・・国民主権の否定
・失われる多くの命、核攻撃の後遺症 アメリカの軍事産業
6.戦争を避ける道
日本のエネルギー自給率11%、食料自給率37%
★共存する80億人、国連主義で平和の維持、改題の解消
★地球変動など人類存続の英知 持続可能な宇宙船地球号に
★憲法前文の理想を追求する
感想・質疑応答 (参加者10名)
・徳島県鳴門市大麻町には、第一次世界大戦時にドイツ兵を収容していた「板東俘虜収容所」があり、捕虜の方々はパンを作ったり、楽器を演奏したりして住民と交流していた。1918年6月1日、ドイツ兵捕虜によるベートーヴェン「第九」交響曲のアジア初全曲演奏会があった。そのことをきっかけとした鳴門市との日独交流は100年を超え、現在まで続いている。「板東俘虜収容所の奇跡」
・近代史についての勉強不足
・戦争に関しては一定のルールがある。
・戦争をやってきた反省、日本にはそのことが決定的に足りない。
・敗戦後の動きについての知る。
・人間に成長はないのか。地球という土俵の中で勝った、負けたをしているが、一度離れて地球を外から見てはどうか?
・日本有事の背景:アメリカの属国・アジアの軽視・・中国と仲良くする人を陥れる。
田中角栄・小沢一郎。
・憲法無視、国会の軽視、政治の劣化
・軍隊ではない自衛隊の増強、専守防衛から集団的自衛へ
・有事の可能性 台湾有事 中国 米国 台湾
・日米地位協定 日本と欧州の違い
・「新しい戦前」と発言された著名人もいる。戦争、平和などに関心のない人に伝えていくにはどうしたらいいだろうか。
・興味関心をもたない間に基地が増えていっている。
・子供たちが安心して生きることの出来る社会
・自分たちで学習していくことで知ることがある。
・問題を先送りしている。
・中国脅威論、本当に中国は攻めてこないのか。
・平和が続いてきたことで無関心になってしまったのかもしれない。
・原点は選挙。かつて全学連をやっていたが、今の学生は元気がない。自分たちの暮らしと無関係にならないように。
・「○○くんは、日本に帰ると、また中国を攻めてくるんじゃないか」と言われた。
(1953年に中国東北部(満州)から、日本に帰ってくるときに中国の人から言われた)
・今こそ、みんなが一つになるとき、宗教が利用されている。世界平和巡礼を行っている。
・湿った新聞紙に火をつけても燃えない。乾いた新聞紙に火がついてくる、そんな人を増やしていく。
・人間の遺伝子には、戦争を回避するDNAが備わっていない、と識者が言っていた。
『戦争ほど、つまらないものはないなぁ~。』
昭和19(1944)年9月、17歳で陸軍船舶特別幹部候補生隊(香川県小豆島)に入隊した山本さんは、特攻艇マルレの訓練を受けましたが、出撃することなく終戦をむかえられました。
その山本さんから、私は引き継がなければならない言葉があるのではないかと思い、最後に感想をいただきました。
『戦争ほど、つまらないものはないなぁ~。
世の中を見ていると、昔に戻りつつあるんですよ、正直に言って。
ほかの国と仲良く、どうすれば、仲良くなれるのか、この自分の国をつぶすことで
ある程度利益がでる、とかそういうことではなくて、どの国もみんな、繁栄していくといか。出来ると思うんですよ。それをあらためて、思います。
もう、年ですからいつ死んでも構わんわけですけど、もう、ええや、という気持ちになってたんです。でも、今日、来て再び、以前抱いていた思いがバッと、吹き返してきました。』
質問:
戦争を体験されたお一人として、どうすれば、今、戦争を回避する手だてがあると思われますか?
『国境をなくすこと、思想的なものを峻別してるでしょ、
それは、生活を豊かにするためにそうしているんですけれども、そういうところから抜け出る。
私も若いころはそういうことはわからなかったけれども、年を取る度に、他の国と仲良くするために、壁を取り除く、それが大切ではないでしょうかね・・・
今、日本はせっかく戦争をやめようとなっているのに、押されて、少しづつ少しづつ国民には目に見えないように軍備を進めていますけど、軍備も金がかかりますからね。
平和のほうにつなぐようにしたほうがいいと思っています。
今日、来るのは止めようかな、と思って、死んでから極楽にでも行こうかな、と思っていましたが、もう一遍勉強します、そう思いました。』
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