「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」2022年4月23日

2022年

4月23日(土)かごしま市民福祉プラザ5階、大会議室で
「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」というDVDを上映しました。

アレン・ネルソンさんとは?

アレン・ネルソンさんは、1947年にアメリカ・ニューヨークの州のブルックリンで生まれる。
貧困生活から逃れようと、18歳でアメリカ海兵隊に入隊。沖縄での訓練を経て、1966年、19歳でベトナム戦争の最前線に派遣されました。
過酷な戦場を生き延びたネルソンさんは、戦争の恐ろしさを、そして日本の憲法9条の大切さを、ずっと語り続けてきた方です。

このDVDは、ネルソンさんの講演やインタビュー映像、政治学者ダグラス・ラミスさんとの対談、劇画風マンガによるベトナム戦争最前線での様子、そして自ら体験した戦争と暴力の恐ろしさを訴え、人間が戦争をしないための要として、日本の憲法9条の尊さを世界へネルソンさんが発信し続けてくれているドキュメンタリー映像です。

参加者19名の感想より抜粋

・戦争中、兵庫に住んでいたが空襲が激しくなり、祖母の郷里の鹿児島へ帰ってきた。小さい頃、僕らがケンカをしていると、大人が止めてくれた。
大人に「どうして戦争をしなければならないの?」と聞いても、すぐには答えられなかった。日本は勝つまで続けるんだよ、と言われた。

・上からつくったものばかり、見せられてきた。例えば明治憲法から。偉い人が話すことが正しい、という教育を受けてきた。それが人類にとって良かったのか、悪かったのかわからない。自分で勉強して、考えて、発表していくことが大事である。

・自衛隊に入ることと経済的困窮が結びついているような気がする。このDVDを上映して、議論する
場を増やしていくことが大切。

・配偶者の転勤で鹿児島に住んでいます。県内に多くの特攻基地や戦跡が残っており、戦争の最前線地であったんだと感じた。戦争の最前線では、世界各国が決めた戦争のルールや決まりなど関係なくなる。日本の兵隊さんにも語ってほしい。

・日本人の最前線にいた人の証言が少ない。ロシア・ウクライナの情勢を見て、無感覚になっていくの
が怖い。同じ事が繰り返し、繰り返されていくんだろうなぁと思う。専門家の人達がいろいろ話をしているけど、知らないうちに巻き込まれていく。

・兵士の目線でつくられた映像。憲法9条を大事にしている。ウクライナ情勢がテレビで映し出される今、ネルソンさんの訴えを広めていくチャンスだと思う。

・初めてニュースで見たのが、ベトナム戦争だった。アメリカは、戦争犯罪には問われていない。

・攻撃されたらどうなるんだ、という問い。自衛のために国民を守るという美言。

・ベトナム帰還兵の生活をさまざまに見せられた。人の心があったゆえに苦しむ。戦時中の日本の風景とウクライナの風景が似ている。自分にとっては、風景なんです。

・知覧に住んでいたので、知覧特攻兵を身近に感じている。最近になって戦争のことを知りたい
と思って、各地を巡っている。

・ベトナム人とアメリカ人が同じ人間だということにネルソンさんが気づいた命の大切さ。映像に出てこない裏側には、死んだ人がたくさんいる。

・戦争に関しては、関係のない人まで巻き込まれてしまう。兵器を持った国が勝利する。戦争に入る前に、話し合いで解決すべき。戦争になりそうな原因の追究が大事。

。映画の中でしか戦争のことを知らなかった。自分の出来る範囲で9条を広めていきたい。

・「ベトナム帰還兵は、なぜ自殺者が多いのか」という本を読んだことがあるが、今日そのことがよくわかった。この会で日本会議のことが問題にならないことが問題。

・自衛隊が軍隊に見えた。罪のない人が殺されていく。自分ではどうにもできない。夜も眠れない時がある。

・ベトナム戦争時、日本人の志願兵もいた。戦争が始まる前にもっと話し合いができなかったのか。

最後に

ネルソンさんが、ベトナムの村でやったことは、日中戦争中、日本軍も中国の村々でやっていたことなのだろうと思う。

戦争時の人間の行動原理は、個人としてではなく、集団としての暴力性で突き進んでいく。平常時に持ち合わせている個人の倫理感、道徳観、理性など全く必要ないのである。それがあれば、殺されている。だとしても、殺す者にはなりたくない。どうしたら、殺されても殺す者にならない者になっていけるのだろうか。                                筆責:山下春美

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