10月12日(土)に「戦争を語り継ぐ集い」でお話をしてくださった山下幹雄さんが、南日本新聞ひろば欄に投稿され、10月22日(火)に掲載された文章です。(ご本人に了解を頂きブログに掲載させて頂きました。)
平和を希求 戦争を語り継ぐ集い 山下 幹雄(93)
鹿児島市であった「戦争を語り継ぐ集い」で、体験を語りました。本紙ひろば欄の投稿がきっかけで、関係者から招かれたのです。
私は、ささやかながら自分の過ごした幼少期の思い出を約一時間話しました。日ごろ機会があれば体験を話したいと思っていました。
参加者は平和を希求する団体や個人でした。皆さんは戦争体験者の話をそれぞれ真剣に聴かれました。平和への誓いを発信し続けたいという気持ちが分かりました。
図らずもその前日、日本原水爆被爆者団体協議会(被団協)のノーベル平和賞受賞という報道に接しました。今回の集いも平和を願う思いは同じです。参加者は自分たちの活動の意義を強く意識されたようです。
来年は、戦後80年。各団体はいろいろな催しを展開されるそうです。平和な未来を守ろうというすがたに感動しました。多くの人にこれらの催しに足を運んでいただきたいと願っています。(鹿屋市)
「何とかならない時代の幸福論」 本 紹介
「集い」に毎回参加してくださるHさんが、「集い」の最後に皆さんに紹介する予定だった本の紹介お手紙です。
この本は、鴻上尚二氏(1958年生・愛媛県出身)とブレイディみかこ氏(1965年生・福岡県出身)の対談本です。本の233ページに、鴻上氏が以下のように書いています。
日本で70年以上、戦争が無かった理由は、やっぱり戦争体験者の強い語りにあると思う。
おじいちゃんもおばあちゃんも、とにかく戦争は勝っても、負けてもダメなんだ、と理屈を超えて、次世代に伝えてきたから。それは、日本人がすごい学んだことなんだと思います。
コメント
戦争はしたくない、戦争の惨禍はまっぴらだという思いが体験者にあり、それを語り継いできたことで戦争を知らない世代が、おぼろげながら戦争の悲惨さを感じて、常識としての非戦争感が浸透しているのではないかと思います。
これからもこの思いを人類が受け継いで行く必要があると思います
戦争を語り継いでも、戦争は終わらない、と虚無感を感じていますが、体験者の語る戦争の惨禍が知らず知らずのうちに非戦争感に浸透しているのであれば、それは大切な営みですね。元イスラエル兵のダニーさんのお話を聞くこともそういうことに通じるのだと思いました。コメント、有難うございます。