「2・26事件に想う」2024年2月26日

2024年

 本日は、「子から孫に語り継ぐシベリア抑留体験と絵画展」最終日でした。
会期中に、ご来場くださいました皆様、誠にありがとうございました。また、ギャラリートークには、父親、兄、弟、叔父、などの親族がシベリア抑留をされていた、という背景から参加くださった方が多く、それぞれのお話を聞かせていただくことができました。
今後も機会をつくり、展示会を開催していこうと思いますので、どうぞ引き続きご支援を申し上げます。 

2・26事件おしゃべり会

 さて、上記展示会最終日が、ちょうど2月26日でした。2月26日と云えば、88年前、若き陸軍青年将校らが、兵を率いて首相官邸などを襲撃した事件が起こした、「2・26事件」の日です。

私が20代の頃、見た映画「226」(1989年公開)の最後に、三浦友和演じる「安藤輝三」(事件の首謀者の一人として死刑)が、「私たちのことは、歴史が証明してくる」と言ったセリフ(言った人物も、セリフも間違っているかもしれませんが)がずっと心に留まっており、忘れられずにおりました。

そこで、88年後の今日、「2・26事件についておしゃべりする会」を開催しました。参加者は、4名。

私は、「歴史が証明してくれる」と言った言葉には、自分たちがしたことは、後世ののち「正しかった」と評価してもらえる、という忸怩たる期待を込めていたのではないかと思うのですが・・・・・・・・。
そして、彼らが生まれて、育った時代というものが、彼らの生み出したのではないかと感じると同時に、彼らが正義だと信じていたその正義は、人と殺してしまうことで、本当に達成できるものだとなぜ信じることができたのか・・・。などなど、個人的にずっと考え続けていることを誰かにか聞いてみたくて、開いたおしゃべり会でした。 
参加者4名と、この問題に関連して、江戸時代、明治維新、現代と多岐にわたる話題を意見交換できたことが非常に有意義、かつ考え続ける問いをいただいた貴重な時間でした。
参加者の皆さん、私にお付き合いくださり、誠にありがとうございました。

南日本新聞2月26日付7面の「風向計」より。

    88年前のラブレター 論説委員長 山野 俊郎 抜粋

「キミと過ごす時間は夢のようで、人生でこれ以上の幸せなどあるはずがない」。
 (中略)これは、遺書でもある。2.26事件で決起した陸軍将校の一人、丹生誠忠が処刑を待つ獄舎で新婚10月の妻にしたためた。
 丹生は、鹿児島市草牟田生まれで27歳。天皇のそばで悪政に導く「君側の奸」のせいで政財界が腐敗し、農村の貧困が放置されていると信じ込んだ。
 (中略)
丹生らの行動に私利私欲はうかがえない。貧しい人に側に立つ純粋さも感じる。
(中略)
無邪気に甘い言葉を紡ぐ男性が、どう割り切れば殺人による国家転覆を指揮できたのだろうか。こんなに優しいのに、まだ若い妻の将来はかんがえなかったのだろうか。 (中略)

お勧め本 「妻たちの2.26事件」澤地 久枝著

≪アマゾンブックスより≫ 
二・二六事件で“至誠”に殉じた熱血の青年将校たち。遺された妻たちは事件後、どのような人生を歩んでいったのか。困難な取材をねばり強く重ね、文字通り足で歩いて検証した、もう一つの二・二六事件。衝撃と感動を呼ぶ、ノンフィクションの金字塔。

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