「昭和天皇と現代日本 ー『昭和天皇拝謁記』から考えるー」 2023年9月9日

2023年

科研費研究「田島道治たじま みちじ文書の分析と研究」研究成果報告シンポジウム
「昭和天皇と現代日本 ー『昭和天皇拝謁記』から考えるー」
 9月9日(土):志學館大学40周年記念会館
標記、シンポジウムに行ってきました。当日のスケジュールは以下の通りです。

1.第一部「昭和天皇の戦争論」
基調報告:茶谷 誠一(志學館大学人間関係学部教授)レジュメ1
パネリスト:古川 隆久(日本大学文理学部教授)
      吉見 直人(ジャーナリスト)
司会:瀬畑 源(龍谷大学法学部准教授)

2.「象徴天皇制のあり方をめぐって」
基調講演:瀬畑 源 (龍谷大学法学部准教)   レジュメ2  
     河西 秀哉(名古屋大学大学院人文学研究科准教授)レジュメ3
討論者:冨永 望(公益財団法人政治経済研究所研究員)
    舟橋 正真(公益財団法人政治経済研究所研究員)
司会:古川 隆久

3.全体討論

〈感想〉
初代宮内庁長官 田島道治たじま みちじ氏の昭和天皇とのやり取りの記録を多面的な視点から研究し、その考察を研究者の方々が報告してくださるものでした。
御用学者的な発表かなと思いつつ行ったのですが、全くそんなことはありませんでした。

「日本があの戦争に負けたのは、オレが負けたんじゃない、アイツ等が悪いんだ。」
そのアイツ等とは? ①軍部(陸軍)②米国 ③国民
確かに、あれほどまでの戦争責任を担うことは、しんどいだろうなぁ、と率直に思いました。 

「国民本位ではなく、国本位だった」という話があったので、それはどういう意味なのか、と質問をしたところ、「全体のためなら、個人はどうなってもかまわない。」と。
 残念なことです。

現在、鹿児島は鹿屋、奄美大島には軍事基地が整備され、種子島(馬毛島)にも造られていきます。
新聞の取材コメントに、茶谷誠一教授が述べられていた一文が心に留め置かれたのでここに記しておきます。
「戦後78年たつと実体験で戦争を知る人はほどんどいない。台湾有事や北朝鮮に対し、軍備拡張に賛同の声がたかまり、懸念を示すと『軟弱』『非国民』と言う人がいる。これは戦前と似た構図だ。まず戦争をしないことが大事という視点で、昭和天皇の戦争を知る意義がある」
南日本新聞記事 2023年8月9日
南日本新聞記事 2023年9月29日 「拝謁記から読み解く」

昭和天皇拝謁記1 購入しました。(全7巻あるそうです。)一冊3,000円(+税)



コメント