これは、14ページの冊子です。
「戦争について小学生にわかりやすく話してほしい」という依頼にもとづいて、福田正義長周新聞社主幹が子どもたちに話した内容を文字化したものです。
戦争の問題を考える場合、大局的な観点に立って考えることがたいせつです。人人の直接的な戦争体験は非常に貴重なものではありますが、個個のそうした体験は部分的・感性的なものです。これを大局的な観点と結びつけて理性化し、戦争はだれがなんのためにひき起こし、誰が犠牲になるのかということを明確にしなければ、どのような戦争に反対するかもはっきりしません。
(中略)
1945(昭和20)年に日本が負けた戦争はどんな戦争で、その性質はどんなものであったかをはっきりさせることがたいせつです。
(中略)
日本のなかではだれが戦争をやり、だれが戦争の犠牲になったのか、だれが戦争を引き起こしそれを指導したのか、その結果だれが殺されたり、爆弾を落とされたり、家財道具を焼かれたりしたのか、ということを知らなければなりません。
福田正義 『戦争はなぜ起きたか』
そのために、戦争、戦争というがその戦争はどうして起こるのかを考えなければなりません。
ロシアのウクライナ侵攻が止まらない今日、いったいこの戦争で、だれが犠牲になっているのかテレビ画面から流れる映像で一目瞭然であります。
20世紀におきた多くの戦争について、二度とあのような悲惨は出来事をおこさないために努力してきたと思いますが、今日の状況から「戦争はなぜ起きたか」という検証が 私たちはできていないということなのでしょう。
冊子の最後の一行で
福田正義 『戦争はなぜ起きたか』
広範な人民大衆の生活が繫栄し、平和な社会をつくるためには、資本家階級の戦争への道に反対する人人の力を強いものにしていかなければなりません。
と述べておられます。
著者は、戦争を起こすシステムに、搾取する側で生きていこうとする人間と搾取される側で生きている人間の支配構造から起こされるものだと語っています。
自分が生きている世界はどんなシステムで維持されているのか、確かめる必要があるということを教えてくれる内容でした。
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