「終わらないロシア・ウクライナ戦争」に思う 瀬下 三留
戦後80年を迎える本年ですが、今だに終戦していないロシア・ウクライナ戦争。
戦争は単純な原因やただの正義感だけでは説明できないという事があります。
トランプ・ゼレンスキー両氏による停戦会談が子供の喧嘩別れのようにして決裂しました。

ここに種田光一朗氏による投稿文がある。
「ゼレンスキー大統領とトランプ大統領の交渉が決裂した。和平交渉の現場、ホワイトハウスに集まった多数のマスコミの前で、ゼレンスキー大統領は「これはロシアが始めた戦争で、プーチンは侵略者だ」と子供の喧嘩レベルの主張を繰り返してまくし立てた。冷静だったトランプ大統領も最後にはこのゼレンスキー氏の子供のような態度をたしなめ、会談は決裂して終わった。この模様は世界に流された。
ゼレンスキーは、ロシアが侵略してきたから戦争になった、と会見でも繰り返し主張した。日本のマスコミもそう報道し、殆どの日本人はこれが真実だと認識している。
しかし、本当のところはどうなのか?
当事者では当然主張は違うので、客観的な第三者の資料で確認することにしよう。欧州安全保障協力機構(OSCE)並びに国連軍事監視員の報告書による「ロシアのウクライナ軍事侵攻に至る経緯」
〔前略〕
2014年以降、親ロシア系住民が圧倒的に多いウクライナ東部のドンバス地方では、ウクライ軍と独立系人民軍(ドネツク人民共和国軍)との間で紛争が絶えなかった。そこで、OSCE仲介のもとでロシアも含め当事者間が合意した停戦協定(ミンクス議定書、またはミンクス合意)が2014年9月に調印されたが、ウクライナ軍による攻撃は絶えず、2015年2月にはドイツとフランスが仲介して、2度目のミンクス合意が再度調印された。
しかしこの8年間、度重なる停戦合意にもかかわらず、ウクライナ東部のドンバス地方(ルハーンシク並びにドネツク人民共和国との境界線)に設けた停戦ラインをウクライナ軍は度々越えてドンバス攻撃を繰り返した。この事実に関する詳細な報告は、OSCEの「デイリーレポート」で確認することができる。ここで注目されるのは、ロシアはこのミンクス合意を遵守し、状況の静観を続けていることだ。
2019年に2021年に入るとドンバスの戦闘はさらに激しさを増し、同年10月末、ウクライナ軍がドンバスの市街地への砲撃を始めたことで、ついにロシアが立ち上がることになった。明けて2022年2月21日、これまで内政問題としてこの事態を静観していたプーチンは、ウクライナの攻撃に晒されていた(ロシア系住民の多い)ドンバス地方の2つの共和国の自治政府の要請に従い、両国の独立を承認し、同日それぞれの共和国と友好協力条約を締結した。ロシアは、これにより国連憲章第51条を発動し、ロシア自身の自衛権と同共和国との集団的自衛権の枠組みで、2つの共和国を支援するための軍事的介入を行うことができる根拠を得て、ウクライナへの軍事侵攻が開始された、というのが実情である。
西側のマスコミは、この事実と経緯を何故か全く報道しない。これはロシアの主張ではなく、国連を含む第三者機関の正式な報告書である。この事実を取っても、ウクライナがそもそも西側(EU/米国)とロシアにとって政治的駆け引きの焦点であり西側のマスコミの報道は、西側に偏向した報道である事を認識しなければならない。
また、そもそもウクライナはソ連崩壊後の独立当初から民族的文化的に2つに分断されていた。ウクライナ南東部やクリミアはロシア系住民が多く工業が主産業といえる。それに対して、中西部はウクライナ人が大多数で農業が主な産業だ。ウクライナ国内のこの分断は、政治的にも住民の帰属意識にも顕著にあらわれており、2004年のオレンジ革命以降この二つの地域の分断は益々顕著になっていた。そこに、2014年以降、民主党の米国(オバマ政権、バイデン政権)が政治的に介入したことで、武力行使が始まり紛争が激化した。
以上が極めて大まかだが、客観的な事実に基づくウクライナ紛争の経緯である。」
私も最初から今まではこの戦争は、プーチンの国際法違反である「一方的なチカラによる現状変更」であり、これを認めると他に追随しかねない専制国家が現れると思っていた。
もちろん「チカラによる現状変更」は認められないが、今になってこの戦争はそんなに単純な事ではなかったということがわかりました。
バイデンによって戦争を長引かせるために日本に働きかけて、時の政権である岸田、次に繋がる石破政権に多額の資金拠出指示、すべてバイデン並びに軍産複合体への利益誘導が目的にあったとしか思えない。
80年前からの戦争歴史は研究、反省する必要はあるが時代が変わると原因は複雑化して、そう簡単に終わらない、ただ絶対に言える事は、戦争は起こし、起こされてはいけない、という原理原則は変わらない、という事です。
編集後記 山下春美
“戦争というのは、どっちが正しいかというよりは、どの視点で、どの立場で見るか、それによって戦争というのはいろんな姿が見られるわけです。”
と、3月1日の重慶爆撃について話をされた江さんの言葉が、ロシアとウクライナの両国の立場の視点に重なりました。
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