「核兵器禁止条約」~スイスからの便り~

2024年

スイス・チューリッヒ近郊(Bülach)に住む知人に、先日、ジュネーブで開催された「核兵器の人道的影響に関するイベント」の新聞記事を送ったところ、以下のような返信がありました。

スイス政府(連邦参事会)が、条約への署名を控えたことに対して、国民は政府への働きかけを署名活動で始めたそうです。

日本はどうでしょうか? 私はどうでしょうか? 
各地で原爆展が開催され、足を運び、79年前の惨状を写真で見ても、その現実に目をそらしてしまう自分がいます。

しかし、知人からのメールを読み、被爆国でもない国の人達が、核兵器禁止に対してこのような取り組みをしてくれていることを知り、心を動かされました。
知人の了解を得て、皆さんへ知人のメールを紹介いたします。     山下 春美

スイスからのメール    Ueli Spuhler

ジュネーブ会議に関する新聞記事をありがとうございました。

原爆被害者が常に核兵器の悲劇を私たちに思い出させてくれるのは良いことです。

ご存知かと思いますが、国連による「核兵器禁止条約(TPNW)」があります。

この条約は2021年1月22日に発効し、核兵器の開発、実験、生産、移譲、保有、使用、使用の威嚇を禁止しています。

スイスは核兵器禁止条約の交渉に積極的に参加しました。しかし、連邦参事会は当面核兵器禁止条約への署名を控えることを決定しました。アメリカ、イギリス、フランスからの圧力が強すぎるのかもしれません。残念です。

日本はどうですか。日本はすでに条約に署名しましたか?

しかし、スイス国民の80%がこの条約を支持しているため、国会議員や反戦団体の一部は連邦議会に条約に署名するよう働きかける運動を始めました。

妻と私もこの提案に署名しました。添付ファイルをご覧ください。ドイツ語のみです。

1月2日までに10万人のスイス国民がこの提案に署名すれば、政府は投票を実施しなければなりかせません。
スイス国民が決定することになります。

それにはさらに2年かかるかもしれません。直接民主主義には多くの時間がかかります。

追記:10 万人の署名を集めたこの提案を政府に引き渡す締め切り日は、2026年1月2日です。署名集めの開始は2024年7月2日でした。したがって、署名を集めるのは1年半です。十分です。

コメント

  1. せしたみつる より:

    スイスの「連邦参事会は当面核兵器禁止条約への署名を控えることを決定しました」、とありますが、その前に「スイスは核兵器禁止条約の交渉に積極的に参加しました」とあります。
    私の理解が足りないのですが、「連邦議会」とスイス政府の違いという事でしょうか?
    「永世中立」を決めてるのは「連邦議会」なのでしょうか?
    それとも「スイス」でしょうか?
    ひとつの国がふたつの判断を出しているように見えます。

  2. 春光 より:

    丁寧に読んでくださってのご質問、ありがとうございます。自分が適当に読み流していたかがわかります。改めて自分もネットなどで調べてみましたが、知人に聞いてからまた返答いたします。少し、お時間くださいませ。